塗装環境は悩みの種
プラモデルを塗装する時に、その作業をどこでどのようにするか、少なからず考えると思います。ひと言で「塗装」と言っても、筆塗り、缶スプレー、エアブラシに大別され、細かくはいくつか方法はありますが、どれをとっても時と場所を選ばず手軽に!はできないです。少なくとも自分はそうです。
自分はまずは初心者の例に漏れず(?)基本の筆塗りから入ったのですが、悩ましいのがラッカー塗料とシンナーの強烈な臭い。住居は集合住宅のため広くはない家中に充満するシンナーの臭いは、確実に家族に迷惑を掛けます。一応自分が作業に使える個別の部屋はあるものの、本棚や収納棚など共有物もあるので完全自分専用部屋ではありません。さらにこの部屋にはエアコンがないので夏は冷気を、冬は暖気を取り入れるために扉は開け放しています。
筆塗りからエアブラシ塗装へ
筆塗りから始めましたが、上手くなるほど練習と経験を積んでいないので当たり前ですが、筆塗りは全くダメでした…。そんな時に偶然入手できたエアブラシ塗装は自分にとってはかなり良かったです。初めて使ってみた時も、初めて分なりに失敗なく満足のいく仕上がりできたこともあり、早々に筆塗りはギブアップしてエアブラシへ乗り換えました。そして、塗装の出来栄えに対するストレス軽減と引き換えに、エアブラシは空中にシンナーを噴霧するので、どこでどのように塗装するのか問題をさらに大きくします。
我が家のエアブラシ塗装事情はとても面倒で過酷
前述の通り集合住宅暮らしです。自分が自由に使える部屋はいちおうありますが、いろんなものが置いてある中に机が置いてあります。部屋・机上は広くもない中で在宅勤務の時はここで仕事もするので、プラモデル用具を出しっぱなしにしておくことはできません。塗装用具はもってのほか。
普段は道具を道具箱に片づけて棚に収納しています。プラモデル製作の時はいちいち必要な道具を出して、終わったら全部道具箱に片づけて棚に収納という感じで、『ちょっと隙間時間に進めようかな』というお手軽環境ではありません。
さらにエアブラシ塗装となると、塗装ブースを持っていないので部屋の中ではできません(やらせてもらえません)。一度、部屋の中でエアブラシ塗装を試してみたことがあり、開け放した窓に扇風機で風を外に出しながらやってみましたがダメでした。(24時間換気の換気扇フィルターが塗料の色に変色しまうほど、別の部屋にも拡散されていました。当然臭いも…。)
なので、今はベランダでエアブラシ塗装をしています。やると決めるまでに結構な決断が必要ですww。すべての道具をベランダまで運んで空き段ボールに向けて噴霧する、というスタイルです。調色も希釈も外でやります。夏は汗だくでの作業で冬はそもそも作業する気にもなりません。
季節によらず天候によらず部屋したい。そのためにはやはり優秀な塗装ブースが必要でしょう。ということでまずは市場調査から。
市販品の塗装ブースを調べてみた
手っ取り早く価格.comで塗装ブースを調べてみました。カテゴリを「ホビー」に絞り人気順で見てみると、上位に来るのは2万円を超えるものが多い。安くても1万5千円はします。ちゃんとした性能のものを買おうとするとそれぐらいは出さないとダメ、ということなんだと思います。
また、何といっても塗装ブースの目的は噴射された塗料を吸い込んで部屋の外に排出することですので、その吸引性能が一番大事だと思います。もう1つ重要なのが静音性。吸引力に優れていても騒音レベルの音が発生するようだと集合住宅では使えません。ということで、吸引性能、静音性の2つに絞って調べてみました。
なかなかまとまった情報がなく一覧表にするのが難しかったです。吸引性能は「空気量」という指標であらわされ、単位はm^3/min=立方メートル/分であり一分間にどれだけの体積の空気を移動させるか、ということのようです。一般的な性能は3~4(m^3/min)が多く、まれに優れたものは5(m^3/min))と言ったものもあります。
一方騒音はdB=デシベルであらわされ、50~60(dB)が多いです。まれに静かなモデルは45(dB)なども見られました。音の大きさの目安はインターネットで知ることができます。
60dB: 洗濯機、掃除機、トイレの洗浄音
50dB: クーラーの室外機、換気扇
40dB: 静かな住宅街、図書館
一般用・台所用換気扇は超優秀
価格はさておき、もう1つネックになるのが大きさです。本体はある程度たためるようですが、排気用のダクトもあります。そうそうダクトも含めて毎回の設置、収納、保管を考えるとなかなかハードルが高いです。何とか軽便にできる方法はないかいろいろ考え、台所用換気扇について調べてみたところ、なんと性能的には超優秀。例えばPanasonic製の「FY-20P5」だと
換気風量:588(m^3/h) = 9.8(m^3/m)
騒音:(35dB)
です。(いずれも50Hzの場合)
専用の塗装ブースとの単純比較はできないのかもしれませんが、これだけ見ると空気量も騒音も段違いです。
外形寸法 約30 x 30 x 17cm (縦x横x奥行)
質量:2.1kg
といずれも塗装ブースより優位性ありです。あとはお値段。フリマアプリで調べてみると、なんと4,000円で売られていました。何はともあれ、思わず、衝動的に、ポチっとしてしまいました。ちなみにこのPanasonic製のFY-20P5は2023年をもって生産終了しており、今は同仕様のFY-20P6が後継モデルにあたります。
次の投稿ではこの台所用換気扇を使った自作塗装ブースについて紹介していきます。
コメント